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唐突にSS。

2010年02月05日

前回の更新から長らく間を空けてしまいました、すみませんorz
ワンフェスオフに間に合わせるため、ずーっと作業に打ち込んでおりましたが、ようやく目途がつきました!

本日は二部構成でして、この記事は、次の記事にてお披露目致しますワンフェス合わせの作品のための、いわば布石です。
SS形式、かつ妄想オンパレードな内容ですので、苦手な方は次の記事をお待ち下さい。m(_ _)m
このSSを読まなくとも、お披露目する作品には特に影響はないですし、むしろ作品を見ればある程度察して頂けるかと思いますので…w

内容はフィクション70%、ノンフィクション30%といったところでしょうか。
というより、事実を元にしたフィクションが正しいですね(汗

ではでは、どうぞ~。

(※2/5 20:33追記 吹雪さんがイラストを描いて下さいました! ので、了承を得て挿絵として使わせて頂きました。ありがとうございます!)


-2-

「3年、経ったなぁ」
 携帯ゲーム機のボタンをポチポチと断続的に押しながら、男は唐突に呟いた。
「……あー、このゲームが出てから」
 男の物とは若干違う携帯ゲーム機のボタンを同じように断続的に弾きながら、ぼんやりと反応する女の声。
「これが出たのは1年前だっちゅーの。…いや、もう2010年だから2年前になるのか。っと、ようやく引いたぞ。くらえ引き撃ちシャッター」
 安物の陶器皿が割れるような音が響くと共に、突き合わせていたゲーム機の向こう側からひょこっと小さい顔が飛び出した。残念ながらその表情は“ひょこ”という擬態語が似合うような可愛らしいものではない。
「主語もないのに当てられるかっちゅーの。ボクのカウンターアムル返せ」
 小さい顔に見合った小さな手でゲーム機を打ちつけながら野次を飛ばす。その言葉にああ、と男は得心した。
「お前が起動してから、だよ。アイゼン」
 野次は意図的に聞き流す。
「なんだ、ボクの事」
 開いたゲーム機の天板にもたれかかると、アイゼンと呼ばれた“全長僅か15cmほどの女性型ロボット”は、あからさまに関心の見られない納得をした。
「あれ、興味なしか」
「興味がないのはお兄のほうかと思ってたけど。毎年大騒ぎしてたのが、今年はなんのアクションもないから」
 頬杖をつきつつ、女性型ロボット――正確には悪魔型MMS・ストラーフの形式名を持つ『武装神姫』――アイゼンが答える。
 やや呆れ顔なのは、彼女の云う「毎年の大騒ぎ」を思い返したからなのだろう。
「確かに大騒ぎはしてないが、アクションを起こしてないわけではないぞ」
 男の返答に片眉をぴくりと跳ねさせ、くりくりと視線を巡らせる…が、特に何の異常も見当たらない。
 いつもの部屋、いつもの風景。
「いや、例年のような大掛かりな仕込みはないよ」
 アイゼンの挙動から胸中を察した男が、苦笑混じりに打ち明ける。
「どーだか。…それはそれとして、一回訊いときたかった事があるんだよね」
 吐露を予感させる一言を受け、無意識にボタンを押していた指すら止めてアイゼンへと視線を移す。
「はて」
「誕生日ってゆーのはさ、人間が生まれた日でしょ。ならボクら、神姫にとっての誕生日は、発売された日になるんじゃないの?」
 なんの含みもない、純粋な疑問。相変わらず頬杖はついたままだ。
 男はうむ、と少しばかり唸ってから口を開いた。
「オーナーによるんでないかい。アイゼンが云うように発売日が、って人もいれば、起動させた日がそうだって人、いやいやお迎えした日がって人も。深く考えるとオレも悩みそうだからやめとくけど、まぁ、オレは起動させた日ってことにしてる」
「アバウトだなー」
「お上が明確に定めてないんだから、オーナーに任せるってこっちゃろ。それにオレとしては…アイゼンには失礼かもしれんが、誕生日云々よりも思い出深い日があるし」
 半眼で見やるアイゼンを横目に、男は困ったような、それでいて楽しくて仕方ないような、複雑な笑顔を堪えているように見えた。
「なんだよそれー」
「忘れたとは云わせん。今から丁度3年前の…ああ、残念、3年と1日前。2007年2月4日の出来事」




-1-

 悔しかった。
 理由は…まぁ、よくある理由ってことで、ご勘弁。
 とにかく悔しくて悔しくて、もう椅子に身体を投げ出すぐらいしか処方箋がないってぐらい、悔しさが脳ミソを支配してて。
 口は半開き、目は虚ろ、微動だにせずただ天井を見詰めてるだけ。
 泣いてはいなかった、と思う。涙が勿体無いとか考えてた気がする。益体もない矜持に御座るよ。…そのせいで、死体と間違われても文句は云えなかったかもしれないけど。
 そんなリビングデッドな面持ちでいくらかの時間を浪費してると、不意に“まばたき”が気になった。主人が如何に脱力していても、文句ひとつ云わず働いてくれてます。
 おおー、目蓋ってすげぃなぁ、なんて妙に感嘆。意識的にまばたきを楽しんでいたら、ある時なぜか目を開けても真っ暗闇。
 一体どうしたことかと焦る間もなく、次の瞬間に走る激痛。おまけにけたたましい音。
 落ちてきた何かが視界一杯に迫り、しかる後に顔面を強打、そして不時着した…と理解したのは数分後。未だチカチカする目を凝らしながら床を見やると、そこには犯人と思しき一体の小さなフィギュアが佇んでいた。
 えーと、確か…武装神姫、だっけ。
 我ながら考えるべきことがずれているのを理解しつつ、散らばったパーツやケース、そして“容疑者”を眺める。フル武装、かつケースごと高所から降ってきたのなら、納得の痛さ。文字通り痛感した。
 すると。
「おいこら!」
 唐突に“容疑者”が吼えた。


eisen_illust.jpg
「仮にもボクを起動したオーナーなら、簡単に泣くな!」
 …えーっと。色々な出来事が起こりすぎてうまく頭が働かない、けど。
 励ましてくれてる、んだろうか?
 ていうか。
「泣いてないッスよ」
 とりあえず訂正はしておいた。
「小力風に云ってもダメだね! 目の端に涙が溜まってるぞ!」
「いや、これはどちらかというと今のフライングアタックの痛みで」
「……」
「……」
 黙ってしまった。
 そういえばこの武装神姫、画像を見て一目惚れして、店を探し回ってもなくって、再販も逃して、ようやく年明けに迎えられたんだったなぁ。…あまり褒められないルートで。
 ただ、手に入れてしまうと熱が冷めるのは、自分の悪い癖だ。結局、この神姫…ストラーフも、開封して少し遊んだだけで、後は透明ケース行き。他のフィギュアと同じ“展示品”となった。
「泣きそうな顔してたんだからいいんだよー!」
 それが今。
 目の前…いや、床の上で。
 励ましてくれている。
 たぶん、励ましてくれている。
 でも問題はさ、複雑なんだよ。殴ったからって解決しないんだよ。ドラマと現実じゃ違うんだよ。
 たかだかフィギュアの分際で、何してくれてんだ、お前。
 たかだか15cmぐらいのタッパで、何凄んでんだ、お前。
 たかだか…。
 ……。

 “たかだか”と位置付けた その存在に 叱咤されるオマエは そんなに ご立派?

 “たかだか人間の分際で!!”

「あ、ほら! やっぱ泣いてる! 泣いてるじゃんか!」
 したり顔で睨む“彼女”に、堂々巡りを繰り返していた心がフル回転するのを感じた。
 やがて、奔流と呼んで差し支えないほどの感情が噴き出す。
 身体を支配していた悔しさが、押し流されて四散する。
 ごちゃ混ぜで把握しきれなかったそれらが、ない交ぜになり、3つの大きな想いを生む。
「ああ。ごめんな」
 後悔。
「ありがとう」
 感謝。
「急に気持ち悪っ。…わかればいいけどさ」
「なぁ」
 そしておそらく、もうひとつは――
「なにさ」
「お前の名前、決めよう。きっと長い付き合いになるから」




-3-

「あったあったそんな事」
腕を組み、アイゼンはしきりに頷いてみせる。
「あの時、オレの記憶が確かならチーグルでぶん殴られたと思うんだが」
「ケース越しとはいえ、我ながら会心の一発だった、うん」
からから笑うアイゼンとは対象的に、男はやれやれと肩を竦めた。そのまま、ゴソゴソと懐を探り出す。
「タバコならパソコンの前」
「うん、でまぁ、さっきの発言に戻るわけだが」
 云いながらも、男は懐を探る手を休めない。
「3周年の話?」
「そう、3周年の話。そろそろ頃合かなと」
 男の手が止まる。
「3周年記念に禁煙するとか?」
「いや、探してたのはタバコじゃなくて、これ」


100205_f01.jpg
「ボクに? なにこれ?」


100205_f02.jpg
「…これ、って……」




次回へ続く。


コメント

  1. あず@会社から | URL | ZFbvg3BA

    Re: 唐突にSS。

    おおっ!
    プロポーズ?!プロポーズなんでつか?!!(>▽<)
    次回にwktk

  2. ネフト | URL | GCA3nAmE

    Re: 唐突にSS。

    なんとまさに「衝撃的」な出会いですねw
    これは続きが気になるっ!
    次回に期待期待w

  3. 吹雪 香 | URL | -

    Re: 唐突にSS。

    烏丸さんと”アイゼンさん”の始まりの瞬間ですね…
    良い…凄く良い…!!

    語彙が少ない私では、何と表現したらいいか分からないのですが・・・

    しかしこうも素敵なシチュエーションを魅せられてしまうと、どうも創作意欲が描きたてられてなりません…w
    あ、身体が勝手に紙とペンを持ってきちゃいましたよ!?

  4. minamo | URL | SHLDkvn6

    Re: 唐突にSS。

    次回は「僕たち結婚しました」ですね?wktk

  5. 烏丸 賽 | URL | A1dPOS.E

    Re: 唐突にSS。

    あずさん>
    …wktkされてこんなにこっ恥ずかしい気持ちになるのは初めてです(*ノノ)
    ご期待に添えていたらいいんですが…!

    ネフトさん>
    あのシーンだけは本当にノンフィクションです!
    とても痛かったデス…w

    吹雪さん>
    イラストありがとうございますー!
    さっそく挿絵に使わせて頂きました! まさにイメージ通りですよ~(ノД`)

    minamoさん>
    あんまり直接的な表現になりませんでしたw
    …いや、オフ会で云えばいいのか!

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